大物たちが復帰の金鯱賞で、あえて
「元No.1」ブレスジャーニーを選ぶ
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
いよいよ春のGIシーズンの開幕が近づいてきましたね。
気候としては、暖かくなってきたと思ったら、今週はまた寒さが戻ってきました。木曜日の朝などは風が冷たくて、体感的にはかなり寒く感じました。寒暖の差が激しい日々が続きますが、体調など崩さぬよう、みなさんもくれぐれもお気をつけください。
さて、今週は東西(中山、阪神)で桜花賞トライアルが行なわれますが、ここでは中京で行なわれるGII金鯱賞(きんこしょう/3月11日/中京・芝2000m)を取り上げたいと思います。
キタサンブラックとしのぎを削った、重賞5勝(うちGI2勝)馬サトノダイヤモンド(牡5歳)の復帰戦。出走頭数は少ないですが、大いに注目すべきレースだと思います。
人気の中心は、間違いなくサトノダイヤモンドでしょう。
ただ休養前、昨秋の欧州遠征は苦い結果となりました。特に凱旋門賞(2017年10月1日/フランス・芝2400m)は、体調や馬場などいろいろと敗因はあると思いますが、見せ場もなく、何も抵抗できずに敗れてしまいました(15着)。
普通のGI馬ならいざ知らず、キタサンブラックとともに日本競馬の頂点を争っていた馬ですからね。しかも、最も脂の乗っている4歳秋でのこと。結果だけ見ると、「何かアクシンデントがあったのでは......」と心配になりました。
そして結局、その後はジャパンカップや有馬記念を見送って、長めの休養に入りました。今回は、その凱旋門賞以来、5カ月ぶりのレースとなります。
これだけ休んだのは、やはりメンタル面のケアに時間をかけたかったのでしょう。今は昔ほど検疫に時間がかからないため、比較的海外遠征もしやすくなっていますが、それでも相当な体力と精神力が必要になると思います。
性格にもよるでしょうが、過去にも海外遠征後になかなかスランプから脱出できない実力馬がたくさんいました。そういう意味でも、今回のサトノダイヤモンドの走りには注目が集まります。どんな競馬を見せるのか、多くのファンも気になるところでしょう。
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著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。