秋華賞に挑むラビットラン。ローズSを快勝した強さは「本物」か

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「この強さは本物?」

 思わずそう唸ったのが、秋華賞トライアルのGIIローズS(9月17日/阪神・芝1800m)における勝ち馬、ラビットラン(牝3歳)のレースぶりだ。

前哨戦のローズS快勝したラビットラン前哨戦のローズS快勝したラビットラン 最後の直線半ばあたりでエンジンがかかると、1頭だけ次元の違う末脚を炸裂。一気に先行馬群を飲み込んで、ライバルたちをゴボウ抜きしていった。

 馬場は「良」発表だったが、前日に降った雨の影響が残るやや重い芝だった。その条件の中で、メンバー最速の33秒5という上がりタイムをマーク。その切れ味は本当に際立っていた。

 単勝26.4倍の8番人気。期待された馬が期待どおりに走ったわけではない。

 それゆえ、多くのファンがレース後、「こんな強い馬がいたのか」と驚いた。と同時に、「たまたまハマッただけじゃないのか」という疑いも抱いた。

 はたしてラビットランは、いわゆる"トライアルホース"なのか、それとも"本物"なのか。

 この点については、本番の秋華賞(10月15日/京都・芝2000m)を占ううえで、最大の関心事と言っていいだろう。関西の競馬専門紙記者はこう語る。

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