キーンランドCのモンドキャンノ、戸崎騎手が乗るには理由があるはず (2ページ目)

 とにかく、どんな馬に乗っても鞍はまりが抜群。また、柔らかい手首を巧みに使って馬をコントロールするその技術は、何とも表現できない凄みを感じます。生まれ持ったセンスなのでしょうが、どんな馬でも(勝ち負けに)持ってきてしまう雰囲気があります。

 シュウジの、今年の凡走すべてに共通することは、折り合わずにガツンと掛かって走ってしまっていること。タメがまったく効かないレースばかりしているように思えます。

 そういう意味でも、馬を御(ぎょ)する能力に長(た)けたモレイラ騎手というのは、このうえないパートナーと言えるでしょう。道中、しっかり折り合ってタメが効けば、たとえ58kgの斤量でも勝ち切れる能力のある馬です。モレイラ騎手がどんな騎乗を魅せるのか、楽しみです。

 そのシュウジと、昨夏から過去4回対戦して3度先着しているソルヴェイグ(牝4歳)も注目される1頭です。

 ただ、シュウジに3度先着したといっても、高松宮記念以外の2回は本当にわずかな差でした。唯一先着を許したのも、シュウジにモレイラ騎手が騎乗した昨年のレース。今回は斤量差が4kgあって、人気はソルヴェイグのほうが上回るかもしれませんが、その斤量差を考慮してもこの2頭に大きな差はないと思います。

 斤量と言えば、前走のアイビスサマーダッシュ(7月30日/新潟・芝1000m)で58kgを背負ったネロ(牡6歳)は、その斤量が堪えた敗戦(10着)だったと思います。

 というのも、470kg前後の馬体ゆえ、500kgを超える大型馬に比べて斤量に敏感だと思うからです。まして、コーナーのない直線競馬ではスタートダッシュが勝負を決めるポイント。斤量を背負っていると、本当にダッシュがつきにくいんですよね。

 そして、今回は斤量57kg。たった1kgの違いですが、ネロにとっては大きな差だと思いますし、コースも違う今回は見直せるはずです。

 鞍上は南関東の中野省吾騎手。まだ25歳の若手ですが、こういうチャンスをもらえるほど、南関東では乗れるジョッキーとして知られています。ある意味、最も注目の1頭かもしれません。

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