七夕賞は、横山典騎手がスズカデヴィアスを「勝利の架け橋」へ導く (2ページ目)

 実績で言えば、重賞2勝のマルターズアポジー(牡5歳)も気になります。昨年の福島記念の勝ち馬ですし、ゼーヴィントとも五分以上に戦える存在です。実際、今回はトップハンデの57.5kgの斤量を課せられています。ハンデキャッパーにも、その実績と強さを認められているのでしょう。

 とはいえ、昨年勝った福島記念は斤量54kgと軽ハンデなうえ、7番人気と人気薄での逃げでした。今度は負担重量が増して、ある程度マークされる形での逃げになる可能性があり、簡単なレースにならないかもしれません。

 そういう意味では、ジョッキーがどんな駆け引きを見せてくれるのか、楽しみです。

 さて、このレースの「ヒモ穴馬」ですが、宝塚記念で取り上げたゴールドアクターの鞍上を務めた横山典弘騎手を再びピックアップ。彼が手綱をとるスズカデヴィアスを、今回の指名馬にしたいと思います。

横山典弘騎手が手綱をとるスズカデヴィアス横山典弘騎手が手綱をとるスズカデヴィアス 宝塚記念で2着と好走したゴールドアクター。横山典騎手が同馬に騎乗したのは天皇賞・春に続いて2度目でした。連続騎乗で、きっちり結果を出しましたね。

 そして今回、横山典騎手がスズカデヴィアスに騎乗するのは3回目。

 初めて騎乗したのは、昨年暮れの金鯱賞(2016年12月3日/中京・芝2000m)でした。それまで、わりと先行することが多かった馬をスタートからがっつり抑え込んで、最後方からポツンと追走。最後の脚にかける競馬を試みました。結果は10着でしたが、直線ではいい伸びを見せて「何か感触をつかんだのかな」という内容でした。

 その後は他のジョッキーが手綱をとっていましたが、前走の鳴尾記念(6月3日/阪神・芝2000m)で再び横山典騎手が騎乗。最後方からの競馬のあと、今度はどんな競馬をしてくれるのか注目していました。すると、スタートからある程度ポジションを取りにいく動きを見せました。結果的には後方から追走する形になったのですが、最初の騎乗とは明らかに内容が違いましたね。結果は4着でした。

 この2戦を経ての今回、非常に楽しみですねぇ~。

 マークする馬も決まっていますし、こういうときの横山典騎手は本当に鋭い騎乗をしてくれると思います。

 それでもし、見事1着でゴール板を通過したら、ぜひウインニングランをしてほしいですね。そして、夏の福島のメインイベントを鮮やかに彩ってほしいものです。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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