ラジオNIKKEI賞、サトノクロニクルは本当に「遅れてきた大物」か (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 確かに出走メンバーの顔ぶれは、やや低レベルだ。クラシック出走組がダービー16着のマイネルスフェーン(牡3歳)と、桜花賞8着のライジングリーズン(牝3歳)の2頭だけ。あとは、大半が未勝利勝ちか、500万条件を勝ち上がった馬ばかりだ。唯一不気味なのが、前走で1000万特別を勝ったクリアザトラック(牡3歳)くらいで、「メンバー的に勝ち負け必至」というのは納得できる。

 では、その先はどうなのか。つまり、サトノクロニクルはここをステップにして、その後はGI級にまで出世するような器なのだろうか。

「ここは勝ち負け」と言った前出の専門紙記者の評価は、かなり辛口だ。

「成績がオール連対と言っても、メンバーが弱いところ、弱いところを選んで戦ってきたものですからね。京都新聞杯2着にしても、勝ったプラチナムバレット(牡3歳)は、そもそも同レースで4着(白百合Sも4着)のサトノリュウガ(牡3歳)あたりに負けていた馬。500万レベルのレースでした。前走の白百合Sだって、弱いメンバーばかりの7頭立て。勝って当然のレースでした。

 冠名『サトノ』で、池江泰寿調教師の管理馬。しかも父がハーツクライで、オール連対ということもあって、いいイメージばかりが先行しているんです。現状のままなら、将来的には準オープンまでいくかどうか、というレベルの馬なのではないでしょうか」

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