ラジオNIKKEI賞、サトノクロニクルは本当に「遅れてきた大物」か (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 ここまでの戦績は、5戦2勝、2着3回とオール連対。重賞の京都新聞杯(5月6日・京都・芝2200m)でも2着となったが、ダービー出走にはわずかに賞金が足りなかった。

 それでも、いわば「断念ダービー」とも言えるオープン特別の白百合S(5月27日/京都・芝1800m)では、その鬱憤を晴らすかのようなレースを披露。見事な後方一気を決めて快勝した。

 父はハーツクライ、母はトゥービー。母の産駒には、2015年のダービー(勝ち馬はドゥラメンテ)で2着となったサトノラーゼン(父ディープインパクト)がいる。その半弟ゆえ、血統的にも1本筋が通っている。

 そうしたプロフィールから、能力はあるのに春は力を出し切れなかった「遅れてきた大物」の匂いがプンプン漂っている。

 実際、今回のラジオNIKKEI賞では1番人気必至と言われているが、勝算はどうか?

「ここはまず、勝ち負けでしょう」

 そう語るのは、関西の競馬専門紙記者である。

「福島の小回りコースは、この馬に合っているとは言えませんが、メンバーがメンバーですからね。それに、前走はあえて後方から、道中ゆっくりいく競馬で結果を出して、ひと皮むけた印象があります。重ねて言いますが、メンバー的に見てここじゃあ負けられませんよ」

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