ラジオNIKKEI賞、サトノクロニクルは本当に「遅れてきた大物」か

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 夏の福島で行なわれる3歳オープンのGIIIラジオNIKKEI賞(芝1800m)は、「遅れてきた大物」たちのレースだ。

 素質はあるのに、成長が他の馬に比べて遅かったり、どこか弱いところがあって使いたいレースを使えなかったり、あるいは「ここ」というときに体調が整わなかったり、そうしたさまざまな理由で春のクラシックを棒に振った馬たちが、ここで意欲満々に巻き返しを期すレースというわけだ。

 一昨年は、アンビシャスが快勝。ここをステップにして、秋にはGI級に出世した。

 2007年の勝ち馬ロックドゥカンブは、このあとセントライト記念を勝って、三冠最終戦となる菊花賞で3着入線を果たした。また、このとき2着のスクリーンヒーローは、翌年のジャパンカップを制覇。今や優秀な種牡馬となっている。

 さらにその前年、2006年のレースで2着だったソングオブウインドはその後、菊花賞馬となった。

 そして、今年のレース(7月2日)で注目されているのは、サトノクロニクル(牡3歳)である。ここから、歴代の大物と肩を並べるような出世を果たせるのか、周囲の期待も高まっている。

前走の白百合Sでは激戦を制したサトノクロニクル前走の白百合Sでは激戦を制したサトノクロニクル

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