ラジオNIKKEI賞、穴党記者3人がささやいた「とっておきの1頭」

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

「上半期のグランプリ」宝塚記念が終わって、いよいよ本格的に夏競馬へと突入。今週から開幕する福島では、3歳オープンのGIIIラジオNIKKEI賞(芝1800m)が行なわれる。

 中心視されているのは、サトノクロニクル(牡3歳/父ハーツクライ)。アルアインで皐月賞を制し、ダービーには3頭出しを果たした池江泰寿厩舎(栗東)の"第4の矢"とも言える存在で、GII京都新聞杯(5月6日/京都・芝2200m)では2着と好走した。

 最終的にはわずかに賞金が足りず、ダービー出走は叶わなかったが、代わって向かったオープン特別の白百合S(5月27日/京都・芝1800m)を快勝。夏の福島で、初の重賞制覇を狙う。

 5戦2勝、2着3回といまだ連対を外したことがないサトノクロニクル。期待馬とあって、出走5戦すべてで1番人気の支持を得てきた。今回も斤量57kgのトップハンデとはいえ、1番人気に推されることは必至だ。出走メンバーの中では断然の実績であることを踏まえれば、なかなか逆らい難い。

 だが、「サノトクロニクルに死角あり!」という声は、競馬関係者の中でも意外に多い。

「舞台が福島、というのがカギになると思います」

 そう指摘するのは、デイリー馬三郎の木村拓人記者。

「サトノクロニクルは能力は高いと思うんですけど、ものすごく不器用な馬ですよね。連対はパーフェクトなのに、勝ち負けでは取りこぼしていることが多い。器用さがもう少し、もしくはもっと圧倒的な力があれば、負けたレースはいずれも勝てていたと思います。そんな馬が小回りの福島競馬場で、しかもトップハンデを背負って勝ち切れるとは思えないんですよね」

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