老舗牧場の歴史を紡ぐレーヌミノル。
オークスで「新たな伝説」となるか
競馬の世界では時として、馬と人が織りなす信じられないドラマが生まれる。馬と騎手、馬と調教師、そして馬と生産者――。
この春、8番人気ながらGI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)を制したレーヌミノル(牝3歳)は、生産者との強い絆を持つ1頭。その人馬の歩みは、まさにひとつのドラマだった。そして、続くGIオークス(5月21日/東京・芝2400m)でも新たな"物語"が紡がれようとしている。
強豪ライバルを退けて桜花賞で戴冠を果たしたレーヌミノル レーヌミノルが生まれたのは、北海道のフジワラファーム。この牧場にとって、彼女の血統はまさに牧場の歴史そのものだった。それについて、代表の藤原俊哉氏が説明する。
「レーヌミノルの血統は、4代前のヤマトタチバナから牧場で持ち続けているんですよ。ヤマトタチバナがいたのは、もう50年以上も前のこと。私は今58歳ですが、同じ歳だった彼女のことはよく覚えています。私が小学校に入る前、親父が牧場を始めたばかりで、まだ(牧場には)数頭しかいなかった時代ですからね。その血統がやがてGIをプレゼントしてくれることになるんですから、本当に感慨深いものがあります」
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