牝馬に負けるか! 皐月賞は王道ローテのスワーヴとカデナを信じる

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by Kyodo News

 牡馬クラシックの第1弾、GI皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)がいよいよ近づいてきた。今年の3歳世代は「牝馬は超ハイレベル、牡馬は今ひとつ」という評価が常につきまとっていたが、それを象徴するかのように、牝馬ながらに参戦を表明したファンディーナ(牝3歳/父ディープインパクト)が人気、話題ともに中心となっている。勝てば、前身のレースを含めて69年ぶりの快挙となるが、3戦無敗の内容がいずれも圧勝だったのだから高い評価も無理はない。

 しかし、快進撃を続けるファンディーナとて不安がないわけではない。何より大きいのが、中3週で栗東から中山競馬場への輸送が続くこと。トライアルのチューリップ賞を制し、磐石と見られていた桜花賞のソウルスターリングの敗戦も前哨戦、本番と続いた長距離輸送もその一因と見られている。加えて、ファンディーナはこの皐月賞が今年4戦目となる。500kgを超える雄大な馬格を誇り、追い切りでも坂路を併せ馬で2本登る3歳牝馬とは思えないタフな馬だが、逆に疲労の蓄積が気になるところだ。

共同通信杯から十分に間隔をとって皐月賞に臨むスワーヴリチャード共同通信杯から十分に間隔をとって皐月賞に臨むスワーヴリチャード
 そうした点を鑑(かんが)みると、ゆったりとしたローテーションで、しかも結果を伴っている馬に好感を抱く。これに該当するのがGIII共同通信杯(2月12日/東京・芝1800m)を勝ったスワーヴリチャード(牡3歳/父ハーツクライ)と、GII弥生賞(3月5日/中山・芝2000m)を勝ったカデナ(牡3歳/父ディープインパクト)だ。

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