マイラータイプが好走の皐月賞。ズバリ今年の穴は、アウトライアーズ

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今週、いよいよ皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)が開催されます。僕がサニーブライアンで勝たせていただいたのが1997年。あれから、もう20年の月日が経つんですね。

 昔から「皐月賞は速い馬、ダービーは運のある馬、菊花賞は強い馬が勝つ」と言われていますが、そのとおり、今でも皐月賞はスピードのあるマイラータイプの馬がよく勝っています。ここ最近の勝ち馬を見てみても、イスラボニータ(2014年)やロゴタイプ(2013年)などが、古馬になってからマイル路線で活躍しています。昨年の勝ち馬ディーマジェスティも、もしかするとマイラーかもしれませんね。

 その他、近年ではドゥラメンテ(2015年)とゴールドシップ(2012年)が勝ち馬に名を連ねていますが、これら2頭はともに二冠馬です。ここで、ひとつの定義を定めるならば、皐月賞は「マイラーか、二冠以上できるほど世代で突出した馬が勝つ」と言えるかもしれません。

 では、今年の世代で突出した馬はいるでしょうか?

 まず今年、皐月賞の出走予定馬で重賞を2勝以上しているのは、カデナ(牡3歳)1頭のみ。2歳戦の重賞が増設されていることを考えると、やや少ない気がしますが、昨年も皐月賞出走馬で重賞を2勝以上していた馬は1頭もいませんでした。

 それは最近、年明けの重賞を勝った馬が、そのまま皐月賞に直行してくることが増えているからでしょう。今年はその傾向が特に顕著で、GI朝日杯フューチュリティS(2016年12月18日/阪神・芝1600m)の覇者サトノアレス(牡3歳)を凌ぐ高評価を得ていたレイデオロ(牡3歳)が、昨年末のホープフルS(2016年12月25日/中山・芝2000m)からのぶっつけで挑んでくるほどです。

 さらに、きさらぎ賞(2月5日/京都・芝1800m)を勝ったアメリカズカップ(牡3歳)、共同通信杯(2月12日/東京・芝1800m)を制したスワーヴリチャード(牡3歳)、アーリントンC(2月25日/阪神・芝1600m)を快勝したペルシアンナイト(牡3歳)ら重賞ウイナーが、ことごとく前哨戦をパスして本番に駒を進めてきました。

 これら4頭は、どこかのトライアルを使っていれば、おそらく勝ち負けになっていたはず。もちろん勝っていたことも十分に考えられ、そうすれば複数の重賞を勝っている馬がもう少し増えていたでしょう。加えて、全体的な能力比較もよりわかりやすくなっていたと思います。もしレイデオロがトライアルを使って勝っていれば、ここでは間違いなく1番人気になっていたでしょうしね。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る