断トツの人気馬が沈んできた桜花賞。今年もアッと驚く伏兵が3頭いる (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi



ソウルスターリングの逆転候補として期待されるリスグラシューソウルスターリングの逆転候補として期待されるリスグラシュー 阪神JF、チューリップ賞と、ソウルスターリングには2度続けて後塵を拝している。しかも、逆転の期待もあったチューリップ賞では、不利があった阪神JFのときとは違って、スムーズな競馬をしながら、さらに差を広げられて3着敗戦。ライバルに水をあけられて、桜花賞ではもはや逆転を期待する声さえ聞こえてこない。

 だが、チューリップ賞から結果が変わるケースの多さを鑑(かんが)みれば、見限るのは早計。例えば、2007年の桜花賞馬ダイワスカーレットも、前哨戦のチューリップ賞ではウオッカに完敗。「本番でも及ばない」と見られていた。にもかかわらず、本番で見事な逆転劇を演じた。

 また、リスグラシューの強みとなるのは、鞍上が桜花賞5勝という武豊騎手であること。先週のGI大阪杯も勝って波に乗っている。ここ一番における"天才"の手腕を期待してみるのも悪くないのではなかろうか。

 続いて、近年の桜花賞馬を見てみると、善戦しながらも、重賞ではあと一歩及ばなかった馬が、本番で戴冠するケースが相次いでいる。

 昨年の勝ち馬ジュエラーは、デビュー戦を勝ったあと、GIIIシンザン記念(京都・芝1600m)、チューリップ賞と続けて2着に敗れていた。一昨年の覇者レッツゴードンキも、新馬勝ちのあとは、4戦連続で重賞に挑んで、すべて2、3着と好走止まりに終わっていた。さらに、2013年に7番人気で勝ったアユサンも、新馬戦を勝ったあと、重賞では惜敗の連続。勝ち星から遠ざかっていた。

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