驚異の末脚「まだ伸びる」。フェブラリーSに挑むカフジテイクの勝算

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 カフジテイクが驚異の末脚で根岸S(1月29日/東京・ダート1400m)を制したとき、キャリアの長い競馬ファンの中には、ブロードアピールという馬を思い出した人が少なくなかったようだ。

根岸Sでは圧巻の走りを披露したカフジテイク根岸Sでは圧巻の走りを披露したカフジテイク ブロードアピールは、1998年にデビューして2002年まで、芝、ダートの短距離戦で活躍した名牝だ。得意としたのは、後方一気の豪快な追い込み。この戦法で、ダートの重賞を5つも勝っている。

 その中のひとつが、2000年の根岸S(当時の名称は「東京中日スポーツ杯根岸S」)。11月開催の東京・ダート1200mと、現在とは条件が異なるものの、実は今回のカフジテイクの勝ちっぷりが、まるでそのときのVTRかと見間違うほどだったのだ。

 当時、ブロードアピールが叩き出した上がり3ハロンの時計が34秒3。もちろん最速の上がりタイムで、2番目に速い上がりを記録した馬(35秒5)とは1秒以上も差があった。そのため、「前が止まって見えた」とメディアで伝えられるのも当然のことだった。

 そして今回、カフジテイクも34秒5という最速の上がりをマーク。3着のエイシンバッケンが同様の決め手(34秒9)を見せたものの、2着に入ったベストウォーリア(35秒6)をはじめ、ほとんどの馬とは上がりタイムだけで1秒以上も速かった。ゆえに、ブロードアピールの勝利の再現かのように見えたのだ。

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