マイルCSで面白いのは、今ならマイル戦が合いそうな2頭のGI馬 (2ページ目)
昨年のマイルCSは、2着がフィエロ(牡7歳)、3着がイスラボニータ、4着がサトノアラジンでした。そして今年の安田記念は、3着フィエロ、4着サトノアラジン、5着イスラボニータ。こうしてみると、この3頭の実力はほぼ互角のように映りますが、僕はあくまでも3頭の中ではサトノアラジンが上位と見ていて、そのライバルになるのも、フィエロやイスラボニータ以外だと考えています。
意外と侮れないのは、ミッキーアイルです。
冒頭でも触れたように、マイルのGI(NHKマイルC)を勝ったのは、2年前の3歳のとき。以降、距離を短くして、実績を挙げてきました。その間、マイルGIの安田記念に2回(2014年=16着、2015年=15着)、マイルCS(2014年=13着)にも1回参戦していますが、すべてふた桁着順の大敗。まさしくスピードの勝ったタイプで、ハナを切ったほうが好走するイメージが強く、短い距離に向いているイメージは拭えません。
とはいえ、最近は以前よりも抑えが利くようになっている感じがします。さらに、今回は出走メンバーの中で、ハナを主張してきそうな馬が見当たりません。これは、先手を取ったほうがいいミッキーアイルにとっては、大きなプラス材料です。ハナさえ切れば、抑えを利かせて、うまく脚をためた逃げができそうです。もしそうなれば、NHKマイルCを制したときのような、鮮やかな競馬が見られるかもしれません。
距離が伸びてよさそうなスノードラゴン さて、このレースの「ヒモ穴馬」ですが、ミッキーアイルと同じくGI馬のスノードラゴンを取り上げたいと思います。
スノードラゴンのGI勝利も2年前で、しかも1200m戦のスプリンターズS。その実績からはなかなか評価しづらいところですが、8歳となった今でも能力的な衰えは感じられません。前走のスプリンターズS(10月2日/中山・芝1200m)でも、勝ったレッドファルクスと同じような位置から追い込んで、コンマ1秒差の5着と健闘しました。
そして、その前走を見る限り、今ならマイル戦のほうが合っているような気がしました。というのも、以前に比べて追走に余裕がなく、エンジンのかかりも遅くて、いかにも「もう少し距離があれば......」という負け方だったからです。
また、スプリンターズSでは休養明け2戦目で、「良化中」という状況にあったと思います。それからすれば、今回はさらにいい状態に仕上げてくるでしょう。多少の展開の助けは必要かもしれませんが、距離が伸びてデキもアップが見込める今回、あっと驚く激走があっても不思議ではありません。
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プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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