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七夕賞はオリオンザジャパンで爆勝だ! (2ページ目)
これに対抗する高齢馬の中では、一昨年(2014年)のこのレースで1番人気に推されて、3着というまずまずの結果を残したマイネルラクリマ(牡8歳)に注目しています。
そもそも同馬はその前年、2013年のこのレースの勝ち馬。加えて、大の福島巧者でもあります。1年4カ月という長期休養明け後は、精彩を欠いた競馬が続いていますが、得意の福島でそろそろ変わってきてもいい頃でしょう。鞍上は、今年も好調な柴田大知騎手。穴を空けることも多く、面白い存在だと思います。単なるダート馬とは思えないオリオンザジャパン 当初は、このマイネルラクリマを「ヒモ穴馬」にしようと思ったのですが、もっと人気薄を狙ってみたいと思います。芝はまだ1戦しか走っていないオリオンザジャパン(せん6歳)です。おそらく、まったく人気しないのではないでしょうか。 デビューからずっとダート戦を使われてきて、ダート通算5勝。6歳になったこの春、やっとオープン入りを果たしました。それでも狙ってみたいと思ったのは、初めての芝レースとなった前々走のメイS(5月21日/東京・芝1800m)の走りがよかったからです。着順こそ8着でしたが、そのレース内容には目を見張るものがありました。
レースはスローの決め手勝負。4コーナーで後方2番手だったオリオンザジャパンにとっては、もはや万事休すといった展開でした。しかし、同馬は大外に出されると、グイグイ伸びてきて2着とはコンマ3秒差、1着馬ともコンマ5秒差まで詰めてきました。
上がり3ハロンは、メンバー中最速の33秒3をマーク。後方で脚をためていたので当然と思われるかもしれませんが、少し前にいた1番人気レアリスタ(4着)の上がりタイムは33秒5。この比較から、相当な決め手を繰り出したことは確かです。その内容は、決してダート馬とは決めつけられないものでした。
前走は再びダートに戻って、オープンのアハルテケS(6月11日/東京・ダート1600m)に挑んで4着でした。ややいそがしいマイル戦とあって、またも展開に泣いた格好です。力負けではなく、馬自身はいい状態を保っています。
冒頭で記したとおり、例年とは違って差しも決まる今の福島の馬場なら、展開さえはまれば、一発あってもおかしくありません。ハンデもメイS同様、53kgと恵まれました。ぜひとも"あッ"と驚く快走を見せてほしいですね。
著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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