お星さまがくれる高配当。七夕賞はオリオンザジャパンで爆勝だ!

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 先週から開幕した夏の福島競馬。やはり小回りコースということで、前のほうで競馬をした馬が好走していました。ただ、例年開幕週の芝レースでは逃げ馬の活躍が目立つのですが、今年は少し様子が違いましたね。

 良馬場発表とはいえ、中間の降雨で多少馬場が緩かったのかもしれません。時計も昨年に比べると、やや遅く感じました。そのせいか、意外と差しも決まっていました。

 そんな差しも決まる馬場で、今週は七夕賞(7月10日/福島・芝2000m)が行なわれます。ハンデ戦で、しかも今年は力関係の比較が難しい高齢馬が多数出走。難解なレースになりましたね。

 まず目にとまるのは、出走馬の中で最も若く、唯一の4歳馬であるアルバートドック(牡4歳)です。

 2年前の2歳時の秋、3戦目で初勝利を決めると、続く500万条件のレースでは当時クラシックの有力候補にも挙がっていたポルトドートウィユとマッチレースを展開。2着と好走しました。その頃はまだ、馬が幼くて成長途上の段階でしたが、それだけのパフォーマンスを見せたことで、その後はクラシックを意識したローテーションが組まれました。

 しかし、続く500万条件のゆきやなぎ賞(2015年3月14日/阪神・芝2400m)には勝ったものの、その後の重賞レースでは幼さを露呈。結局、皐月賞にも、ダービーにも、駒を進めることはできませんでした。

 春のクラシック出走は叶いませんでしたが、その前哨戦となる重賞レースの結果は紙一重、幼い面が解消されていれば、夢は叶っていたでしょうね。実際、クラシックを諦めて挑んだ白百合S(2015年5月30日/京都・芝1800m)では、わりと骨のあるメンバー相手に快勝。秋には、三冠レース最後の菊花賞(2015年10月25日/京都・芝3000m)に駒を進めました。

 その菊花賞は、12着と惨敗。本質的に長距離は向かないタイプだけに、その大敗は仕方がないでしょう。それからは、マイルから2000m戦を中心に使われてきて、年明け初戦の小倉大賞典(2月21日/芝1800m)で重賞初制覇を飾りました。

 正直言って、その小倉大賞典も勝つには勝ちましたが、ポッカリと空いた最内をうまく突いての勝利。能力的にはまだワンパンチ足りない気がします。それでも、一戦ずつ成長しているのは間違いなく、前走のエプソムC(6月12日/東京・芝1800m)でも着順は7着でしたが、終(しま)いまできっちり伸び切っていました。展開が向かなかっただけで、内容はよかったと思います。

 前走に比べれば、今回のメンバーは手薄。勝てるチャンスは膨らんだと言えるでしょう。ハンデは57kgと見込まれましたが、鞍上が戸崎圭太騎手というのは心強い限り。今、関東圏では最も乗れているジョッキーです。先週も福島の重賞を制していて、2週連続の重賞制覇に期待がかかります。

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