夢のような血統のモクレレ。両親のディープとアパパネが「三冠馬」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2016年版)
第5回:モクレレ

 競走馬にとって、一生に一度の舞台となる3歳の"三冠レース"。通常、牝馬であれば、桜花賞、オークス、秋華賞を目指し、牡馬であれば、皐月賞、日本ダービー、菊花賞が目標となる。そして、それら3戦すべてのレースを勝った馬には、「三冠馬」という称号が与えられる。

 過去、牡馬で三冠を達成した馬は7頭、牝馬は4頭()だけ。まさに選ばれた馬のみが手にしてきた栄光だ。
※牡馬は、セントライト(1941年)、シンザン(1964年)、ミスターシービー(1983年)、シンボリルドルフ(1984年)、ナリタブライアン(1994年)、ディープインパクト(2005年)、オルフェーヴル(2011年)。牝馬は、メジロラモーヌ(1986年)、スティルインラブ(2003年)、アパパネ(2010年)、ジェンティルドンナ(2012年)。なお、メジロラモーヌは秋華賞設立前で、エリザベス女王杯が三冠目に該当。

 そんな三冠馬同士の交配によって生まれた、夢のような血統の持ち主が今年、デビューを控えた2歳馬にいる。モクレレ(牡2歳/父ディープインパクト)である。

来年のクラシックでの活躍が期待されるモクレレ来年のクラシックでの活躍が期待されるモクレレ 同馬の父ディープインパクトは、2005年の牡馬三冠を達成した"英雄"。武豊騎手に「飛んでいるよう」と評された名馬で、引退後は種牡馬としてリーディングトップの座を独走している。

 片や母は、2010年に牝馬三冠を果たしたアパパネ。2012年に引退するまで、牝馬三冠を含めてGI5勝という成績を残した。二冠目のGIオークス(東京・芝2400m)では、距離不安がささやかれる中、サンテミリオンとの「1着同着」で優勝。たぐい稀(まれ)な"勝負強さ"も兼ね備えていた。

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