ダービー目前。蛯名騎手が語るディーマジェスティ「強さの秘密」 (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

――蛯名騎手は、2戦目の未勝利戦(2015年9月26日/中山・芝1800m)からディーマジェスティに騎乗。同馬のことを「強い」と思ったのは、いつ頃からですか。

「初めてレースで乗る前の、攻め馬に乗ったとき。そのとき『いい馬だ』と思いました」

――ただ、その2戦目の未勝利戦も新馬戦に続いて2着でした。

「当時はまだ、馬が仕上がっていなくてね。それで、あのときもなんかもたもたして、道中の流れにうまく乗っていけなかった。それでも、あのメンバーの中では能力が抜けていたから、例えば途中から強引にまくっていくとか、何か仕掛けていけば、きっと勝てたと思う。

 だけど、そこで僕が思ったのは、『この馬は、そういうことをしないでも勝たないといけない。そういうレベルの馬だ』っていうこと。もし、あそこで何かをやってしまうと、たとえ結果として勝てたとしても、将来的に距離がもたなくなってしまうとか、悪い影響が出かねない。それなら、『ここで結果的に負けてしまっても、無茶なことはしないでおこう』と思ったんです。そのうえでの2着ですからね。僕の(ディーマジェスティの資質の高さに対する)確信は揺らぎませんでしたよ」

――名馬物語にはよく「負けを糧にする」という話が出てきますが、この馬にもそんな秘話があったということですね。では、蛯名騎手がそれほど惚れ込んだこの馬の一番いいところはどこですか。

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