小牧場生まれのキタサンブラック、有馬記念も『まつり』熱唱か

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

2015最後の大一番、有馬記念展望(2)

 年末の大一番となるGI有馬記念(12月27日/中山・芝2500m)。強豪古馬が顔をそろえる一戦だが、それらに挑む"若手"3歳馬にも注目が必要だろう。その代表格と言えるのが、GI菊花賞(10月25日/京都・芝3000m)を制したキタサンブラック(牡3歳)だ。

菊花賞を制して、有馬記念に臨むキタサンブラック菊花賞を制して、有馬記念に臨むキタサンブラック 今年1月末のデビューから、破竹の3連勝。しかも3勝目は、素質馬が集結したGIIスプリングS(3月22日/中山・芝1800m)だったため、多くのファンに衝撃を与えた。その勢いのまま、牡馬クラシック第1弾となるGI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)でも奮闘。勝利は得られなかったものの、3着と好走した。

 続くGI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)は、ハイペースに巻き込まれて14着と大敗を喫したが、秋初戦のGIIセントライト記念(9月21日/中山・芝2200m)を快勝すると、牡馬クラシック最終戦の菊花賞を制覇。距離不安がささやかれる中、そうした声を一蹴する競馬で、悲願のGIタイトルを手にした。

 展開に泣いたダービー以外は、常に安定した走りを披露してきたキタサンブラック。3歳の1月という遅いデビューながら、そのハンデをものともせず、一冠を手にして、ついに有馬記念で古馬に挑むまでに出世した。その"強さ"は、一体どこから来るのだろうか。

 この馬のルーツを探ると、近年、にわかに注目を集める牧場にたどり着く。北海道日高町にあるヤナガワ牧場――キタサンブラックの生まれ故郷である。

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