マイルCS、過去10年のデータからひも解いた「厳選穴馬」2頭 (3ページ目)
ふたつ目は、臨戦過程。過去10年における勝ち馬の前走を見てみると、天皇賞・秋から挑んだ馬が5勝を挙げている。「勝率5割」という数字は、決して無視できないデータだ。ならば、穴馬を探すうえでも、このヒントを活用してみたい。
今回、天皇賞・秋から参戦するのは、イスラボニータとヴァンセンヌ(牡6歳)の2頭のみ。イスラボニータは、久々の1600m戦ではあるが、上位人気になるのは確実だろう。穴馬としては適していない。
伏兵として狙うなら、もう1頭のヴァンセンヌだ。
ヴァンセンヌは、今春の安田記念でモーリスに次ぐ2着。着差もわずか“クビ差”だった。この距離での能力は、現役トップクラスで、勝ち負けできる底力を秘める。
秋に入ってからは、GII毎日王冠(10月11日/東京・芝1800m)で9着。そして、天皇賞・秋では18着と惨敗した。この成績から人気は急落しそうだが、両レースとも道中で激しく引っかかっており、本来の差す競馬ができていない。言い換えれば、能力を出し切っていない、とも言える。近走成績のみで人気が上がらないのであれば、むしろ“美味しい”存在ではないか。
ヴァンセンヌにとって、今回は久々のマイル戦だが、そもそも適距離でのレースとなれば、前2走より折り合い面で苦労することもないだろう。本来の差すスタイルが見事に決まれば、金星を挙げても何ら不思議ではない。
混戦ムードが漂う中、秋のマイル王に輝くのはどの馬なのか。人気馬を狙うにせよ、穴馬を狙うにせよ、予想しがいのあるGI戦と言えそうだ。
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