【競馬】マイルCS、アルビアーノがジンクスもディープ産駒も打ち破る

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 GIマイルチャンピオンシップ(CS)が行なわれる、京都の芝1600m外回りコースの傾向としてよく挙げられるのは、ディープインパクト産駒の好相性だろう。事実、このレースは2013年トーセンラー、2014年ダノンシャークで連勝中。昨年は2着にもフィエロが入り、2012年3着のドナウブルー、2013年3着のダノンシャークも含め、過去3年で5頭も馬券に絡んでいる。今年も6頭が出走予定だ。

3歳牝馬の初制覇なるか!? マイルCSに出走するアルビアーノ3歳牝馬の初制覇なるか!? マイルCSに出走するアルビアーノ

 しかし、今年はディープインパクト産駒によるGI勝利はここまで3つ。11勝を記録した昨年に比べるとやや勢いを失っており、今回は他の系統を狙ってみたい。注目するのはストームキャット系だ。2010年のエーシンフォワード(父フォレストワイルドキャット)、2011年のエイシンアポロン(父ジャイアンツコーズウェイ)がこの系統で、前者は13番人気(単勝52.4倍)、後者は5番人気(同9.8倍)と、比較的人気のない立場での勝利だった。馬券的妙味もある系統と言えるだろう。

 ストームキャットはアメリカ競馬史に残る大種牡馬で、一時期は種付料が50万ドル(約6000万円)まで高騰するほど人気を集めた馬。2013年に30歳で死亡したが、現在もアメリカのみならずヨーロッパでも父系(子孫)を広げている。日本で出走した直仔では重賞5勝、GI2着9回のシーキングザダイヤなどが有名で、ヘネシー、ヨハネスブルグ、ヘニーヒューズなどが種牡馬として輸入されている。その他ストームキャット系の代表馬としては、GI朝日杯フューチュリティSを勝ったゴスホークケン(父バーンスタイン)、アジアエクスプレス(父ヘニーヒューズ)、GIフェブラリーS馬のサンライズバッカス(父ヘネシー)などが挙げられる。

 アルビアーノは牝系も素晴らしい。祖母の全妹が2歳女王ヤマニンパラダイスで、GI皐月賞馬ノーリーズン、昨年のGI日本ダービー馬ワンアンドオンリーとも同じ。その他、世界的大種牡馬グリーンデザートや、昨年の米GIBCクラシックを勝ったバイエルンなどもいる、世界的な名門ファミリー出身なのだ。

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