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【競馬】外国人牧場長から見た「ここが変だよ、日本競馬」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Getty Images

 一方で、スウィーニィ氏はレース後のメディアの反応を日本と海外とで見比べて、「日本競馬の課題」を改めて痛感していた。

「凱旋門賞が終わったあと、日本馬の陣営に対する、国内外のメディアの反応には大きな差がありました。ヨーロッパではレース後すぐに、日本馬の陣営に対してかなり厳しい批判が報道されていましたよ。後方から進めた戦法や、現地の前哨戦を使わずに挑んだローテーションなどについてです。ところが、日本メディアで、ヨーロッパのメディアと同じくらい厳しい論調で伝えているところは、ほとんどなかったように思います」

 凱旋門賞のあと、海外メディアが批判している様子を伝えている日本メディアは確かに多かった。だが、日本馬の惨敗ぶりについて、自ら厳しく指摘して世の中に発信した日本メディアの数は決して多くなかった。スウィーニィ氏は、こうした日本の競馬メディアのスタンスを「ずっと疑問に感じている」という。

「日本の競馬メディアは、批判というか、レースに対して厳しい批評をしたり、問題点を指摘したりする記事がちょっと少な過ぎます。例えば、騎乗ミスがあったとしても、そのジョッキーに対して、はっきりと"ダメ出し"するメディアなんてありません。調教師に対しても同様です。明らかにダート適性のある馬を芝で使ったり、レースに臨む管理馬の体重がものすごく増えていたりしても、そこをメディアが指摘することは皆無と言っていいでしょう。本来、そういうことを、メディアが厳しく批判しなければいけません。そうした報道活動が活発にならなければ、競馬界は良くなっていかないと思います」

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