2015.02.15

【競馬】外国人牧場長から見た「ここが変だよ、日本競馬」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Getty Images

『パカパカファーム』成功の舞台裏
連載●第46回

1990年、獣医師として来日したアイルランド人のハリー・スウィーニィ氏は、日本競馬の優れたシステムに感銘を受けると、2001年には競走馬の生産牧場「パカパカファーム」を開場した。そして、2012年にはダービー馬ディープブリランテを輩出。以降も、数多くの活躍馬を世に送り出している。その間、日本競馬も飛躍的な成長を遂げているが、「さらなる発展のために、やるべきことはまだたくさんある」とスウィーニィ氏は語る――。

昨年の凱旋門賞。日本馬3頭がレースを盛り上げたが......。 ジャスタウェイ、ゴールドシップ(牡6歳)、ハープスター(牝4歳)と、3頭の日本調教馬が挑んだ昨年の凱旋門賞(2014年10月5日/フランス・芝2400m)。それぞれ現地メディアからも大きな注目を集め、有力候補の一角に数えられた。レースの結果は、ハープスターが日本馬の中で最先着の6着。以下、ジャスタウェイ8着、ゴールドシップ14着という厳しいものになったが、この3頭が「ヨーロッパ最高峰のGI」と言われる舞台に華を添えたことは間違いない。

 小さい頃からヨーロッパの競馬に親しんできたパカパカファーム代表のハリー・スウィーニィ氏は、そのときの盛り上がりを見て、こんなことを思ったという。

「日本からトップクラスの馬が毎年参戦してくることで、凱旋門賞に対するヨーロッパの競馬ファンの熱狂は、以前より増していると感じます。日本馬が何頭も出走することに嫌悪感を示すヨーロッパの人はほとんどおらず、むしろ凱旋門賞を盛り上げるという意味で、『助かっている』というのが本音だと思いますよ。実際に日本馬の参戦をすごく歓迎していて、日本馬に対する期待も高いです。ファンは、その実力も認めています」

 ヨーロッパのファンも待ち望んでいる、日本のトップホースの参戦。だからこそ昨年の凱旋門賞では、日本だけでなく海外メディアの間でも日本馬が度々取り上げられた。