【競馬】根岸Sは地方馬サトノタイガーの「大駆け」に期待

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 いよいよ"大箱"の東京競馬場での開催がスタートします。ご存知のとおり、東京競馬場は日本一広いコースです。芝コースは一周2000mを超える距離があり、その内側のダートコースも一周約1900mあります。コーナーは緩やかで、しかも幅が広いため、乗り手としてはとても乗りやすい競馬場です。

 そんな東京開催の開幕週に行なわれる重賞は、GIフェブラリーS(2月22日/東京・ダート1600m)の前哨戦となる、根岸S(2月1日/東京・ダート1400m)です。

 本番のフェブラリーSよりも200m短い、1400m戦で行なわれる同レース。以前にも触れたことがあるのですが、たった200mの違いながら、乗っている側の感覚は、それ以上に違います(2013年1月26日配信『根岸Sでエーシンウェズンの一発が期待できるワケ』)。スタートから3コーナーまで、向こう正面の直線が目いっぱい使える1600m戦に比べて、3コーナーまでの距離が短い1400mの場合は、位置取りやポジション取りがシビアになりやすいからです。ゆえに1400m戦は、比較的速い展開になることが多いですね。

 今年、そのレース展開のカギを握るのは、ロゴタイプ(牡5歳)と見ています。

 芝レースとはいえ、皐月賞などGI2勝の実績は、今回のメンバーの中では抜けた存在。しかも、鞍上は現在全国リーディングトップ(14勝)のクリスチャン・デムーロ騎手が務めます。つまり、そもそも前目にポジションを取る実績馬が、仕掛けが絶妙な騎手によって操られるわけですから、他陣営も目標とせざるを得ません。レースの流れは、まさにロゴタイプの動きによって左右され、同馬の仕掛け次第ではかなり速い展開になる可能性もあります。

 では、ダート初挑戦となるロゴタイプの適性はどうなのか。

 やってみなくてはわからない部分はありますが、少なくとも陣営は好走できる手応えを持っていると思います。というのも、前走の中山金杯(1月4日/中山・芝2000m)で2着。芝の重賞でもまだまだ戦えることを証明しながら、あえてダート戦を使ってくるからです。

 最近、芝の実績馬がダート戦に矛先を変えてくることはよくあります。その大半は、芝レースで大敗が続き、新味を求めての路線変更です。こういう場合、うまく行くこともありますが、基本的には期待はずれに終わることがほとんどです。

 しかし、ロゴタイプは違います。前述したとおり、芝で結果を出している状況での路線変更。そのうえで、クリスチャン・デムーロに鞍上を託すのですから、陣営の手応えは相当なものなのでしょう。仮にここで敗れたとしても、本番で巻き返す可能性を秘めており、そのレースぶりからは目が離せませんね。

 もう一頭というか、もうひとり、気になる存在がいます。先週の東海S(1月25日/中京・ダート1800m)で、コパノリッキー(牡5歳)に騎乗して快勝した武豊騎手です。

 東海Sの勝利は、本当に鮮やかでした。スタートに課題のある馬をスムーズに出して、道中も安定した走りを披露。最後は2着に4馬身差をつける圧勝劇を演じました。まさにプロフェッショナルな騎乗を見せて、コパノリッキーは本番のフェブラリーSでも最有力馬の一頭になるでしょう。

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