【競馬】根岸Sでエーシンウェズンの一発が期待できるワケ

ダート路線で順調にステップアップしているエーシンウェズン。ダート路線で順調にステップアップしているエーシンウェズン。ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

元ジョッキーの大西直宏氏が独自の視点で重賞レースを分析し、3連単で狙える「ヒモ穴馬」を紹介する、同コラムが絶好調だ。最近では、年末の東京大賞典のハタノヴァンクール(2着)に始まり、中山金杯のタッチミーノット(1着)、AJCCのダノンバラード(1着)とズバリ的中! そして今回も、大西氏がとっておきの"穴馬"を推奨してくれた。

 1月26日からは、東京競馬場での開催がスタートします。ご存知の通り、東京競馬場は日本一広いコースで、芝コースは1周2000m、ダートコースも約1900mもあります。コーナーは緩やかで、コースの幅があって、乗っていてもとても広々と感じられ、すごく乗りやすい競馬場です。

 そんなゆったりしたコースで、しかも直線の短い中山競馬場での8週連続開催後ということもあって、開幕週の特に初日は「東京だから直線も長いし、急ぐ必要はないだろう」という心理がジョッキーたちの中に生まれる可能性があります。そうなると、結果として思いも寄らぬ逃げ残りを許してしまうことがあるかもしれませんね。

 さて、その注目の開幕週に行なわれる重賞は、GIフェブラリーS(2月17日/東京・ダート1600m)の前哨戦、根岸S(1月27日/東京・ダート1400m)です。本番のフェブラリーSよりも、200m短い距離で行なわれるこのレース。たった200mの違いですが、乗っている側の感触は、それ以上のものがあります。

 というのも、1600mはスタート地点が2コーナー外側の芝コースからで、向こう正面を端から端まで使えます。3コーナーまでの直線が非常に長く、ジョッキーには「焦らなくても好きなポジションを取れる」という気持ち的な余裕があって、レースはわりと落ち着くのです。

 しかし1400mの場合、スタートした瞬間からレースの流れが速くなると、あっという間に3コーナーを迎えるので、位置取り、ポジション取りはややシビアになります。つまり、3コーナーまでの流れ次第で、展開が大きく変わるのです。

 そうした要素のある東京の1400m戦で行なわれる根岸S。カギを握るのは、統一GIのJBCスプリント(11月5日/川崎・ダート1400m)を制したタイセイレジェンド(牡6歳)と、前走のギャラクシーS(12月23日/阪神・ダート1400m)を勝って初の重賞制覇に挑むガンジス(牡4歳)という、矢作芳人厩舎の2頭だと思っています。

 まず、地方交流とはいえ、前走で初のGI制覇を成し遂げたタイセイレジェンド。小回りの川崎競馬場だったのが、この馬にとってプラスに働いたこともありますが、ぶっちぎりで逃げ切ったレースぶりは圧巻でした。夏以降、ここ数戦のレース内容を見ても、「本格化したかな」という雰囲気があります。

 今のこの馬なら、広い東京のレースでも十分勝負になるでしょう。また、本番のフェブラリーSよりも、1400mの根岸Sのほうがこの馬には条件がピッタリ。陣営の狙いもここにあるような気がします。

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