【競馬】兄以上の大物か。凱旋門賞2着馬の弟、出陣
厳選!2歳馬情報局
第6回:フェスタジュニーナ
2010年の宝塚記念(阪神・芝2200m)を制したナカヤマフェスタ(2008年~2011年に活躍。重賞3勝)の全弟が、デビューへ向けて、着々と態勢を整えている。美浦・二ノ宮敬宇厩舎のフェスタジュニーナ(牡2歳/父ステイゴールド)である。
順調に調教を消化しているフェスタジュニーナ。 兄ナカヤマフェスタは、前述の宝塚記念でブエナビスタやドリームジャーニーらの実力馬を下してGI馬の仲間入りを果たすと、その秋、世界最高峰の凱旋門賞(フランス・芝2400m)に挑戦した。2走前に初めてGIを制したばかりで、完全な"伏兵馬"として扱われていたが、その低評価に反発するかのような激走を披露。直線で先頭に並びかけると、1着馬とはわずかアタマ差の2着と大健闘したのだ。
その走りは、世界はもちろん、日本の競馬ファンをも驚かせたが、管理していた二ノ宮調教師は、もともとナカヤマフェスタに対する期待が非常に高かった。なにしろ、ナカヤマフェスタが宝塚記念を勝つ前に(2010年5月時点)、二ノ宮調教師はすでに凱旋門賞の出走登録を行なっていたのだ。それほど、この馬の潜在能力に惹(ひ)かれるものがあったのだろう。
実際、ナカヤマフェスタは早くからその潜在能力をレースで見せていた。デビュー2戦目で素質馬の集うGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)を制すと、翌年の日本ダービー(東京・芝2400m)では、各馬が不良馬場に苦しむ中、後方から猛然と追い込んで4着と好走した。その後も、GⅡセントライト記念(中山・芝2200m)を勝利するなど、度々一線級の力を発揮してきた。
そういう意味では、4歳になっての宝塚記念でのGI制覇は、陣営からすれば「ようやく」という思いだったかもしれない。
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