【競馬】札幌記念の大穴は、人気急落のエアソミュール

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 8月18日、札幌記念(函館・芝2000m)がいよいよ開催されます。レースのグレードはGⅡですが、定量戦(馬の年齢と性別だけを基準に重量を定めたレース)で、涼しい北海道で行なわれるため、毎年トップクラスの実績馬が参戦。GIレースにも相当するレベルで、夏競馬最大の「お祭り」と言えます。

 函館での開催となった今年も、GI馬5頭に加え、重賞連勝中のトウケイヘイロー(牡4歳)、クイーンS(7月28日/函館・芝1800m)を連覇したアイムユアーズ(牝4歳)など、好メンバーがズラリ。非常に見応えのあるレースになりそうです。

ハイレベルな一戦で、巻き返しが期待されるエアソミュール。ハイレベルな一戦で、巻き返しが期待されるエアソミュール。 そんな中で注目されるのは、春のクラシックを賑わせた、皐月賞馬のロゴタイプ(牡3歳)です。5着に敗れた日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)は、距離が長くなったことがやや影響したように見えました。皐月賞(4月14日/中山)と同じ2000mの距離に戻る今回は、再び強いロゴタイプを見せてくれるのではないでしょうか。

 ただし、鞍上の村田一誠騎手は、かなりプレッシャーを感じていると思います。もともとデビュー戦から主戦を務めてきましたが、今回は昨年の札幌2歳S(4着。2012年9月1日/札幌・芝1800m)以来の手綱になります。しかもその間、ミルコ・デムーロ騎手騎乗でGIを2勝。自らの手ではなく、他の騎手によってGIを勝利した馬の手綱が、それも1番人気濃厚という状況で戻ってくるのです。「勝たなくてはいけない」「失敗はできない」という思いが相当強くなっているのではないでしょうか。

 実際、先週、今週とロゴタイプの追い切りに跨(またが)って、馬の感触を確かめた村田騎手は、周囲に対していいコメントを発していました。それが、まるで自分に言い聞かせているようで、その発言から、かなりの重圧を背負っていることがうかがえました。

 おそらくレースでは、トウケイヘイローとネコパンチ(牡7歳)がハナを争い、ロゴタイプはその後ろに控えて、主にトウケイヘイローを射程圏にとらえての競馬をすると思います。そう考えると、やはり村田騎手は早めに動くような気がします。確かにロゴタイプの競馬は、4コーナーで先頭に立つイメージがありますが、トウケイヘイローを相手にした場合、その正攻法の競馬で押し切れるかどうか。あまり意識し過ぎると、後方の馬に差されてしまうというシーンも想像できます。

 定量戦のため、斤量57kgの古馬牡馬(古馬牝馬は斤量55kg)とは、3kg差の斤量54kgで出走できるのは有利です。心情的には応援したいですし、あっさり勝っても不思議はありませんが、馬券的には取捨が難しい存在になりますね。

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