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【競馬】宝塚記念、「3強」断然ムードを崩す馬はいるのか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 6月23日に行なわれる、GI宝塚記念(阪神・芝2200m)。上半期の総決算であるこのレースは、今年、フルゲート18頭を大きく下回る11頭立てとなった。少頭数の理由は、レース2週間前の登録段階で、オルフェーヴル(牡5歳)をはじめ、ジェンティルドンナ(牝4歳)、ゴールドシップ(牡4歳)、フェノーメノ(牡4歳)という有力馬4頭のレベルがあまりに高く、「勝ち目がない」と見た陣営が相次いだからだ。

 その後、「4強」のうち、オルフェーヴルは肺出血のために回避となったものの、戦前の下馬評は、あくまで残った「3強」断然ムードとなっている。

2月の京都記念で、およそ2年ぶりの勝利を飾ったトーセンラー。2月の京都記念で、およそ2年ぶりの勝利を飾ったトーセンラー。
 だが、はたして本当に3強で決まるのだろうか。馬券圏内の3着までなら食い込む馬もいるのではないか。過去、人気薄の伏兵がたびたび激走を見せてきた宝塚記念の歴史を振り返ると、「3強」に割って入る存在を探してみたくなる。

 例えば、2011年。1番人気ブエナビスタ(2着)や3番人気エイシンフラッシュ(3着)を抑えて勝ったのは、6番人気のアーネストリーだった。その前年も、1番人気ブエナビスタをゴール前で差し切ったのは、8番人気のナカヤマフェスタである。さらに2005年は、タップダンスシチー(1番人気7着)とゼンノロブロイ(2番人気3着)の一騎打ちムードをよそに、11番人気のスイープトウショウが大金星をあげた。ひと筋縄ではいかないのが、"サマーグランプリ"宝塚記念なのだ。

 今年のGIを見ても、人気薄の上位台頭が多かった。日本ダービーで3着に食い込んだ8番人気のアポロソニックや、安田記念で3着に入った12番人気のダノンシャークなど、伏兵馬の活躍を挙げればキリがない。また、天皇賞・春では、今回「3強」の一角として名を連ねるゴールドシップが、断然の一番人気ながら5着に敗れる波乱もあった。3着まで順当に決まったGIは、今年で言えば、皐月賞(1~3番人気の順番どおりに決着)しかない。

 宝塚記念の歴史、そして今年のGIの流れを考えれば、「3強」崩しも、十分に考えられるのではないだろうか。

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