【競馬】「3強」がしのぎを削る宝塚記念。頂点に立つのはこの馬だ

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 オルフェーヴル(牡5歳)の突然の回避で「4強」から「3強」となり、やや興味がそがれた印象のある宝塚記念(6月23日/阪神・芝2200m)。それでも、メンバーの質は過去の宝塚記念と比べて遜色はない。「3強」が顔をそろえるのは今回が初めてで、十分に見どころのあるレースになりそうだ。

昨年のジャパンカップではオルフェーヴル(写真左)の内をついて勝利を飾ったジェンティルドンナ。昨年のジャパンカップではオルフェーヴル(写真左)の内をついて勝利を飾ったジェンティルドンナ。
「3強」というのは、ファン投票でも1位オルフェーヴルに次いで上位に名を連ねた、2位ゴールドシップ(牡4歳)、3位ジェンティルドンナ(牝4歳)、4位フェノーメノ(牡4歳)。いずれも4歳の同世代だ。

 ゴールドシップは、昨年のクラシック二冠馬(皐月賞、菊花賞)で、年末には有馬記念を制した。ジェンティルドンナは昨年、牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を達成。加えて、昨秋のジャパンカップでは、オルフェーヴルにも見事勝利した。フェノーメノは、昨年のダービー、天皇賞・秋で2着と好走。今年の天皇賞・春では、ゴールドシップを退けて初のGI制覇を果たした。

 3頭合計のGI勝利数は8勝。その数字からわかるとおり、まさしく現役トップクラスの面々で、オルフェーヴル不在でも「3強」のハイレベルな争いからは目が離せない。

 では、その「3強」の中で、最も勝つ可能性の高いのはどの馬か。

 最右翼は、ジェンティルドンナだろう。

 なんと言っても"現役最強馬"オルフェーヴルとの壮絶な叩き合いを制したジャパンカップ(2012年11月25日/東京・芝2400m)の勝利が光る。さらに、前走のドバイ・シーマクラシック(3月30日/UAE・芝2410m)でも2着と奮闘した。特に勝った馬が、2011年のブリーダーズCターフ(アメリカ・芝約2400m)を制するなど、世界トップレベルの実力馬として知られるセントニコラスアビー。2着という結果以上に、牝馬ながらセントニコラスアビーと一騎打ちを演じたことに大きな価値がある。

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