【競馬】ジャパンカップ、今年は外国馬から不気味な勝負気配が漂う

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

ジャパンカップに挑む、凱旋門賞馬のソレミア。ジャパンカップに挑む、凱旋門賞馬のソレミア。 日本調教馬として初の凱旋門賞制覇を惜しくも逃したオルフェーヴル(牡4歳)が、帰国初戦で臨むジャパンカップ(11月25日/東京・芝2400m)。今年は牝馬三冠を果たしたジェンティルドンナ(牝3歳)をはじめ、日本馬だけでもGI馬9頭という豪華メンバーがそろった。ハイレベルな一戦が期待される中、オルフェーヴルは自身にとって鬼門とされる大外枠(8枠17番)を引いてしまい、レースの熾烈さはますます増しそうだ。

 さて一方で、外国招待馬の顔触れはどうなのか。2005年のアルカセット以降、勝利から遠ざかっているが、今年は粒ぞろいのメンバーが来日してきた。日本馬ほどの豪華さはないものの、これまでも外国馬が勝利した際は、必ずしも前評判が高かったわけではない。むしろ、ジャパンカップの勝利をステップに、その後飛躍した馬も少なくないだけに、軽視するのは禁物だ。

 筆頭格となるのは、凱旋門賞でオルフェーヴルを下したソレミア(フランス/牝4歳)。同レースでは、オルフェーヴルを迎え撃つ主力ではなく、伏兵の一頭という存在に過ぎなかったが、「5月にGⅡコリダ賞(フランス・芝2100m)で重賞初勝利を飾ったときに、今年はビッグタイトルを狙いに行くべき馬だと感じた」(カルロス・ラフォンパリアス調教師)と、陣営の評価はもともと高かった。そして何より、凱旋門賞で完全に抜け出したオルフェーヴルに食い下がって、大逆転勝利に結びつけた勝負根性は特筆モノだ。

 ただし、懸念されていることもある。凱旋門賞と同様のパフォーマンスをジャパンカップでも発揮できるかどうか、だ。というのも、今年の凱旋門賞は直前の天候不順もあって、パワーを要求される渋った馬場だったからだ。これまでの戦績も、どちらかといえば時計を要するレースに良績があり、日本の高速馬場への適応が疑問視されている。

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