2012.06.22

【競馬】宝塚記念も暗雲!? オルフェーヴルが背負った「十字架」

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

天皇賞(春)では、トップから大きく離れて4コーナーを回ったオルフェーヴル。そのまま伸びずに11着と惨敗した。 オルフェーヴルの宝塚記念出走に、ようやくゴーサインが出た。レース本番数日前に行なわれた最終追い切り終了後という、まさにギリギリのタイミングだった。

 今年の競馬シーンの断然の主役と期待されながら、阪神大賞典、続く天皇賞(春)と続けて期待を裏切った。阪神大賞典では3角手前で逸走し(2着)、前走の天皇賞(春)では11着に惨敗した。

 にもかかわらず、宝塚記念のファン投票では2位のトーセンジョーダン(宝塚記念は不出走)に、2万5000票近い差をつけて断トツのトップ。レースに出れば当然、1番人気か、1番人気を争うほど支持されるだろう。

 そこで、今度は期待に応えられるのか……。そう考えて、出走には慎重の上にも慎重を期した陣営の姿勢は理解できる。

 一方で、宝塚記念のような注目度の高いGIで、主役としての期待を最も大きく集める馬が、ここまで出否の判断を持ち越すというのも、なかなかないことである。

 陣営にとってやっかいだったのは、前2戦の敗因が、能力面はもちろん、仕上がり具合など、体調の問題ではなかったからではないか。

 オルフェーヴルの強さについては、今さら詳細に記すまでもないだろう。史上7頭目の三冠馬となり、有馬記念でも古馬最強クラスを一蹴した昨年の戦績を見れば明らか。年明けには、あるトップジョッキーから「日本の馬ではあの馬には勝てない」という声さえ聞かれたほどだ。

 体調面についても、オルフェーヴルほどの馬ならば、常にピークである必要はない。「8分でも勝てる」のがこのクラスの馬で、前2戦とも体調面はそれくらいのレベルにはあった。今回も同様で、もし体調面に問題があるのなら、日頃の調教の動きなどからわかるはず。少なくともここまで出否の判断を持ち越す必要はなかった。