【競馬】ワールドエース、皐月賞2着もダービーで勝つための布石だった!?

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●写真 photo by Murata Toshiyuki

皐月賞では不利に泣いたワールドエース。大目標のダービーで巻き返しなるか!?皐月賞では不利に泣いたワールドエース。大目標のダービーで巻き返しなるか!?日本ダービーを占う(2)
ディープ産駒がついに勲章を手にするのか?

 今年のダービーの出走馬予定表を見て、ふと、昨年暮にある競馬評論家が漏らしたこんな言葉を思い出した。

「このままなら、ダービーはディープだらけになってしまうかもしれない......」

 当時のディープインパクト2世代目産駒、つまり現3歳馬たちには、そんな途方もないことも起こしかねないほどの勢いがあった。

 実際には「ディープだらけ」にこそならなかったものの、それでも計7頭もの産駒が、今年のダービーの出走予定馬に名を連ねている。全出走頭数が18頭だから、割合にして4割弱。しかもキングカメハメハやアグネスタキオンなど種牡馬リーディングを争うライバルたちが、ダービーには産駒を1頭出走させるのがやっと、という現実を見れば、やはり現3歳のディープ産駒の勢いは率直に「すごい!」と言うしかない。

 また、同じディープ産駒のジェンティルドンナが、2400mのオークスを2着に5馬身もの差をつけて圧勝したことで、「勝ったのはマイルのGⅠばかり。2000m以上のGIでは不安」という指摘も、ただの杞憂でしかなくなった。これも、ディープ産駒にとってはいい追い風。それらを踏まえれば、ダービーの舞台は、まさにディープ産駒のために整えられたという感さえある。

 なかでも、最も大きな期待を集めるのは、皐月賞2着のワールドエースだろう。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る