有村智恵がラウンドリポーターとして見たセントアンドリュースでの全英女子オープン 印象に残った選手は? (2ページ目)
【パリ五輪に続き、主要大会で優勝したリディア・コのキャリア】
――優勝したリディア・コ選手とは、有村さんも親交があると思いますが、どのような選手でしょうか?
昔から努力家でしたね。リディアがアマチュアの選手としてツアーに出てきた時、彼女はまだ15、16歳で、当時は親御さんと一緒にツアーを回っていました。とにかく昔からよく練習していて、ずっとゴルフ場にいる選手でしたね。私たちからすると、年も離れている分、こんなに若い頃からゴルフづけの毎日で身体は大丈夫なのかなって、勝手に心配していたくらいでした。
ブランクもありましたし、いろいろな壁や辛い時期もあったと思います。それでも、それを乗り越えて、結婚もして、プライベートも充実させたうえでのこのキャリアです。友人として、心からうれしく思います。
彼女は、本当に人柄もすばらしくて、みんなから愛されている選手ですから。あれだけ若い時から一生懸命やっていた選手が、こういうゴルフ人生を歩めるっていうのは、すごく素敵なストーリーですよね。
(リディア・コが優勝した)パリオリンピックでは、リディアが途中までしっかりリードできていた展開でしたが、今回は、大会後半に差し掛かったところでは、(世界ランキング1位の)ネリー(・コルダ)が勝つんじゃないかって、みんなそういう雰囲気を感じ始めていましたよね。
3日目にはそのネリーがスコアを落とすなか、ディフェンディング・チャンピオンのリリア(・ヴ)も上がってきた。これはリリアもあるぞって思っていたら、最終日の18番ホールで、リリアは難しいアプローチを強いられてのボギー。結局、リディアが抜け出しました。天にも味方された感じがありましたね。
――会場となったセントアンドリュースは、強風や気温差、変わりやすい天気で有名ですが、現地の気候はいかがでした?
コースの特徴としては、クラブハウスからスタートして(ハーフの折り返しで)戻ってくる、行って戻ってくるコースで、折り返し付近の8番ホールから12番ホールぐらいまでは、ちょうど海沿いなんですね。風は基本的にずっと強いのですが、その辺りで特に風が強くなって、立っていられないぐらいの強風でした。そこが、みんな苦戦したポイントだったなと思います。
1番ホールや18番ホールのクラブハウス付近は、比較的風も穏やかなんですが、スタートからホールを重ねるごとに風が強くなっていくので、風向きが変わらなくても、強弱の計算が合わなくなってくるんです。
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