「自分のゴルフを貫けた」吉田優利が国内メジャー初制覇 勝負を決した17番のカニスピンに「あのショットは完璧」

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 今季の国内メジャー初戦であるワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ(茨城GC西コース)は、強風が舞った3日目、大雨にたたられた最終日をしのぎきって、吉田優利が通算1オーバーで制した。

 2000年度に生まれたミレニアム世代の彼女にとって、2021年のゴルフ5レディス以来、1年8カ月ぶり3度目の優勝は、自身初のメジャータイトルとなった。

「3勝目までが結構長かったなと思いますけど、その分、特別な試合で勝つことができたし、頑張ってきたことは間違っていなかったなと思う」

ツアー3勝目を初の国内メジャー制覇で決めた吉田優利ツアー3勝目を初の国内メジャー制覇で決めた吉田優利この記事に関連する写真を見る 昨シーズンは2位が5回と、高次安定した成績を残したが、ついぞ優勝には届かなかった。

「もちろん、勝ちたい気持ちはすごく強かったですけど、勝てなくて2位が何回もあっても、評価してくださる方はいた。自分が思っている以上に、褒めていただけた。

 毎試合、頑張って、頑張った結果が優勝ゼロだったですけど、今はさらに先を見据えて、広い視野で自分のゴルフを見ているかなと思う」

 タフな気象条件、難度の高いコースセッティングの公式戦ではあるが、大会初日のラウンド後に、吉田は「相性がいい」と語っていた。

「毎年、いつもここから調子がよくなるイメージでシーズンを戦っている。気持ちよくゴルフができる、一番好きな試合です」

 相性のよさがそのままスコアにつながったのが、2日目だ。「69」で回って、ただひとりのアンダーパーとなる通算4アンダーで抜け出した。勝負は時の運とも言うが、吉田は日頃から運を引き寄せるために「徳を積む」ことを意識すると語った。

「簡単なことで言うと、ふだんからゴミを拾うとか、(車の通りが少ないような道路であっても)赤信号では絶対に渡らないとか、そういう人が見ていないところを美化していけたらと思っています。

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