「天才少女」金田久美子が33歳で2度目の戴冠。「また勝ちたかった。すごく重い優勝です」 (2ページ目)
一番つらかったのは「5、6年前かな」と金田は振り返った。
「ドライバーで、キャリー140ヤードぐらいのチーピンしか出なくなって、どんなに大きなグリーンでも乗せられないし、50cmのパットも入らない時期があった。"こんなに恥ずかしいゴルフならやってもしょうがないかな"と思っていました。
ゴルフ場に着いたら、涙が出たり、吐いたり。蕁麻疹が体に出たこともあった。自分のメンタルの保ち方が難しくなったけど、また勝ちたかった。その気持ちを忘れなかったのがよかったと思う」
数年前から腰痛にも苦しみ、昨年は左の足首を捻挫し、以来、負担のかかるフルショットができなくなり、ハーフショットでスコアメイクせざるを得ない日々を送っていた。
その間、ずっと支えにしてきたのは、熱狂的に応援してくれるファンの存在と、周囲の人々の「大丈夫だよ」の言葉だった。
「私って、もともと不安症なんです。世界ジュニアを5回勝っているんですけど、勝った翌年に行っても『予選通過するかな......』と。自分を不安にさせて、逆に練習するタイプなのかなって自分では分析しているんですけど、自信満々にゴルフをするタイプじゃないですし、みんなが思っているほど、メンタル強くないんです」
2位に3打差をつけて迎えた最終日は、出入りの激しいゴルフとなり、同組で回る、前週に今季2勝目を挙げた19歳のルーキー・川﨑春花に一時、1打差に迫られる苦しい展開となった。
「今日はイーブンで回れば勝てるんじゃないか、と自分のなかで設定していた。相手のスコアは意識しなかったです......いや、少しは『1打差か』と意識することはあったけど(笑)、勝負どころを見極めて自分のスコアメイクに集中できた」
勝負を決めたのは17番パー4の第2打。ピンまで160ヤードの池越えのショットを1m弱の距離につけて、楽々とバーディーを奪う。川﨑との差は2打となり、勝負を決めた。
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