女子ツアー序盤戦を永久シードプロが分析。今季も躍動する実力者6名は「ここが変わった」 (3ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images


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1999年7月29日生まれ。東京都出身。身長166cm。血液型A型。
ツアー通算10勝。2022年シーズン最高位2位タイ。トップ10入り4回。
メルセデスランキング10位。賞金ランキング9位(獲得賞金2036万2833円)。

「昨シーズン9勝を挙げた稲見さんですが、今季はいまだ優勝がありません。どこに違いがあるのかスタッツで確認してみると、昨季は33位だったドライビングディスタンスが今季は16位にアップしている一方で、フェアウェーキープ率は昨季の10位から今季は26位までダウンしているのです。

 これは昨季、米女子ツアーへの参戦やオリンピックなどの経験から、世界で戦ううえでの飛距離の必要性を感じたからでしょう。シーズン当初はドライバーのシャフトを替えていましたが、フジサンケイレディスの時には元のシャフトに戻すなど、いろいろと試行錯誤しながらやっているようです。

 よく飛距離を求めた結果、スイングをおかしくして、その後にスランプに陥ったりすることがありますが、ショットの正確性を表わすパーオン率(1位)とボールストライキング(3位)は悪くないですから、稲見さんにその心配はなさそうです。

 では、昨季の稲見さんと今季の彼女とでは何が一番違うのか。それは、パッティングだと思います。スタッツで見ると、平均パット数(パーオンホール)が昨季は2位でしたが、今季はここまで39位です。

 自分でも話しているように、彼女はもともとパッティングが得意ではなかったのですが、昨年奥嶋誠昭コーチのアドバイスによって、ボールから体を少し離してセットアップすることで、ストロークがスムーズにできるようになりました。それが今年のヤマハレディースの時に見たら、ボールから離れていることでストロークが微妙に揺れているように、私には見えました。

 昨季よかったことが、今季もいい結果をもたらすとは限らないというのがゴルフの難しいところです。今後中盤戦に向けて、このパッティングをどう修正してくるのか、楽しみにしています。いずれにせよ、もうすぐ勝てそうな気がします」

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