【木村和久連載】寒いし、風も強くて苦労ばかり。それでも冬にゴルフをやるのはなぜか? (2ページ目)
(2)自分との戦い
ゴルフが寒い地方の人の遊びだった、という前提があるとしても、実際に冬にラウンドするのはどうなんでしょう?
冬のゴルフは、ボールは飛ばないし、グリーンは固いし、芝は枯れて霜だらけ。加えて、風も強い。何もいいことがありません。
けど、その逆境に立ち向かって、今年も無事にラウンドできた――そこに、意義があります。
個人的なことを言えば、以前は当たり前だった冬のラウンドも、今は誰にも頼まれていません。ですから、休むのも自由です。
とはいえ、冬のゴルフを一旦休みにすると、それ以降ずっと、冬にゴルフをしなくなってしまうでしょう。人間はラクなほうに進む習性がありますから。
そうすると、冬場は練習場にも行かなくなって、当然冬の競技はパス。そのうち、歩きのラウンドもパス、距離の長いコースもパス......などと、どんどん自分を甘やかす方向に向かっていきます。
要するに、冬のゴルフをやめるということは、その"甘え"の第一歩。だから、歳を重ねてからの冬のラウンドは、ある種の達成感、満足感が得られるんでしょうね。
怠惰なゴルファーにならないためにも、シーズンに一度でいいから冬のラウンドをこなす、というのはオススメです。
布団からはなかなか抜け出せないものの、自らを甘やかさないためにも冬のゴルフは続けていきたいものです...この記事に関連する写真を見る(3)冬があるから、人は進化する
人類の進化は、冬の寒さに耐え、飢えをどうしのぐか創意工夫することによって、大脳が発達したと言われています。そうして、発酵食品などの保存食を編み出したことで、人類は生き延びてきたのです。
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