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松山英樹の言葉で振り返るマスターズ4日間。当初は自分に「期待していなかった」 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 日本中が注目した最終日、序盤の松山は落ち着いていた。1番でボギーを叩くも、2番でバーディーを取り返し、8番、9番でも鮮やかなバーディーを奪取。フロント9を終えて13アンダーまで伸ばし、後続に5打差をつけてバックナインに向かった。

 もはや優勝は手が届くところまできていた。だが、オーガスタの女神はそう簡単には微笑んでくれなかった。12番でボギーを喫すると、15番ではセカンドショットを奥の池に入れてボギー。16番でも連続ボギーを叩いて、苦しい状況に陥った。

 しかし一方で、他の上位陣も勝負どころでミスを犯して伸び悩んだ。そうして、2位に2打差をつけて最終18番を迎えた松山は、最後にボギーを喫しながらも通算10アンダーでフィニッシュ。松山がついにメジャー制覇の夢を、それも最も重要視していたマスターズで叶えた。

「今日は思いのほか、早く起きてしまって。そこから、いつもなら寝られるのに、寝られなかった。1番のティーグラウンドに立った時は、最終組で、しかもトップでいるということを考えたら、すごくナーバスになってきて......。それでも、最後の18番をやり遂げようと、いいプレーをして終わろうと思って、がんばった。

 今年に入ってからは、先週までの試合で一度もトップ10に入っていないし、優勝争いもしていない。だから、当初は(自分でも)期待していなかった。けど、水曜日の練習の最中に、ショットにいいフィーリングが戻ってきているかもしれないと感じて。最後のほうは荒れてしまったけど、3日目まではすごくいいティーショット、いいセカンドショットが打てた。(優勝できたのは)そこが要因かな、と。

(日本に帰国しての反響は)どうなるか想像はつかないけど、このグリーンジャケットを持って帰れることがすごくうれしい。それで、どういう反応があるのか、楽しみたい」

 待望のメジャーチャンピオンとなった松山。これで、彼が抱えていた"重荷"も下せたのはないだろうか。今後のさらなる活躍が期待される。

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