【木村和久連載】高齢化が進むゴルフで迎える節目とその最終形を考える (2ページ目)
かつて頻繁にあったコンペは、おおよそ名門コースで開催され、「なかなか取れないコースだから」と、3万円のプレー代を払っていましたかね。さらに、パーティー&賞品代でプラス1万円。ひとつのコンペで、計4万円くらいの出費でしたか。
そこで、主催者が「賞品は豪華にしておいたから」と言うけれど、こっちには全然ブツが回ってこない。払い損ですよ......って、ほんと、余計なお世話だっちゅうの。
そんなコンペも、現在では高齢化によって、解散になることはよくある話です。代わりにあるのが、コンペ仲間の葬式です。実際、今年も何回か行きましたが、つらいものです。
この前まで元気でゴルフをしていた人が、「最近見かけなくなったな」と思っていたら、亡くなっているのですから。おかげで今や、「自分の順番はいつ回ってくるのやら」って思っています......。
そんなわけで、コンペがなくなる一方だから、ゴルフの誘いが減り、やる機会も少なくなるんですな。
そうすると、まもなく"ジジイゴルフ"へと突入していきます。
(2)枯れたゴルフと老いたラウンド
ジジイゴルファーは、時にこれらを同じものと勘違いして、自分で都合よく解釈している人がいますが、大きな間違えです。
"枯れたゴルフ"とは、正確なアプローチやパッティングで、寄せワンパーを取っていく戦法で、ミドルホールなら3オン1パットのパー。そうやって、飛ばし屋の若いゴルファーをギャフンと言わせる高等テクニックです。
一方、"老いたラウンド"とは、体力の衰えとともに、「なるべく楽をしよう」という考えによるもので、ゴルフだけでなく、生理現象にまで及びます。老いてくると、次のようなことが起きます。
・バックティーからは絶対に打たない
もちろんレギュラーティーでも、400ヤード以上のミドルホールがあるコースは敬遠しがち。「あそこは(距離が)長いから」と、ラウンドを断ることもあります。
ゴルフに誘われると、まずコースのヤーデージを見て、「これならイケるかも」と判断すれば参加します。ただ、実際に行ってみると、アップダウンがきついうえ、強風にさらされ、300ヤードのミドルホールが実質的には350ヤードぐらいに感じられて、あんぐりとなることがよくあります。
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