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渋野日向子のプレーに米ツアーかと錯覚。
実力者2人に劣らぬオーラ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 3連続バーディーで迎えた最終9番ホールは、273ヤードと1オンが狙える距離の短いパー4だ。渋野の4連続バーディーなるか、期待がかかった。

 渋野がキャディーバッグから抜いたのは、ドライバーだった。刻まずに1オンを狙いにいったパー4と言えば、想起するのは、全英女子オープン最終日の12番だ。そこで、1オンを成功させたことで、渋野の勢いは加速することになった。

「この日はティーが前だったので(初日は328ヤードの設定)、1オンも狙えるホールで、やっぱり1Wしかないと。キャディーさんとも話が合ったので、迷わずドライバーを持ちました」

 結果は、グリーン手前。ボールは、ピンまで約10ヤードの地点に止まった。

「1オンしたかったですけど、あのピン手前の位置も悪くないので、寄せようと思えば、寄せられる距離ではありました」

 しかし、56度のウエッジで打ったアプローチは寄らなかった。

「あそこまで寄せていたら、『チップインは狙わないと』と思って。グリーンがちょっと下り傾斜だったので、それもわかっていて打ったんですけど、やっぱりパンチが入りましたね。1打であそこまで持ってきておきながら、そこから3打も打つか!? と......」

 結局、およそ3m弱のバーディーパットは入らず、渋野は2日間トータル7アンダー、9位タイでフィニッシュした。

「最終ホールを取れなかったのは、悔いが残ります。けど、残り2日間あるので、まだチャンスはあると思います。残り2日で、今日までのスコア以上のスコアを出さないとトップ争いできないと思うので、2日間、しっかり攻めていきたいと思います。すべてかみ合えば、爆発できるかとは思います」

 首位と5打差。優勝候補のユ・ソヨン、畑岡らとは3打差だ。しかし、渋野の表情に慌てた様子はなかった。ラウンド中も、世界的な実力者2人に負けないオーラを発していた。渋野の言葉ではないけれど、一瞬、アメリカツアーを見ているような錯覚にも陥った。

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