「何も変わっていない」という菊地絵理香。ではなぜ強くなったのか (3ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

 その川口キャディーが、今季は年間を通して菊地のバッグを担ぐことになり、ふたりで今季最大のテーマをウエッジ強化に定めたという。その理由について、川口キャディーはこう説明する。

「僕は、イ・ボミ(27歳/韓国)選手のキャディーもしたことがあるのですが、彼女はウエッジがうまくて、ウエッジを持ったときの3打目は、次のパットがOKにつくことが本当に多いんです。つまり、ミドルホールでの取りこぼしのボギーが少なくて、ロングホールでのバーディーの確率が高くなる。プロのトーナメントでは、ミドルやショートホールでのバーディーはそんなに取れるものじゃないので、ロングホールでいかに伸ばせるかがスコアメイクの鍵になる。ボミ選手の強さは、そういうところにあるんです。そこで今年は、ウエッジの精度を徹底的に上げていこう、ということになったんです」

 重点的にやっていることは、100ヤード以内の距離を10ヤード、5ヤード刻みで、ウエッジで正確な距離を打っていくこと。菊地は現在、アプローチを含めると、全体の80%をウエッジの練習に費やしているという。

 菊地が語る。

「大事なのは、インパクトのフェースの入れ方です。ウエッジは、ちょっとでも薄く入るとスピンが多くかかってしまうし、逆にちょっとでも厚めに入るとスピンがかからない。だから、フェースの入り方をいつも一定にして、しかも同じ距離を打つことが重要なんです。それがきっちりできるようになれば、ミドルアイアンやユーティリティーもヘッドの入り方がよくなると、グッチさん(川口キャディー)に言われたんですが、確かに今季はアイアンのインパクトでの当たりが分厚くなって、以前よりも強い球筋になりました。

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