【木村和久連載】増殖する「サードウェーブ系ゴルファー」の実体 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 この世代は、テレビゲームで囲碁を覚えたという囲碁六冠の井山裕太棋士()に象徴されるような、PC、SNS、ゲーム世代です。井山棋士は、師匠の家まで距離が遠くて、もっぱらPCやゲームで自習。レッスンは、スカイプなどのPC環境を駆使して行なっていたという変り種です。それで「史上最強」と言われるまでの棋士になったんですから、PC文化の申し子、恐るべしです。
※いやま・ゆうた。1989年生まれ。2013年、史上最年少(23歳10カ月)で囲碁の七大タイトル(棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段)のすべてを獲得し、グランドスラムを達成。現在は、「十段」以外の六冠を保持。

 同様に、サードウェーブ系ゴルファーは、自分のスイングを撮ったスマホ動画を見て練習します。アプリを駆使してスイングチェックをし、ゴルフ場の予約なども当然PCで済ませます。仲間ともSNSで交流し、ゲームが大好きという感じです。

 だいたいゴルフを始めるには予算がないとできませんが、ITベンチャー、SE(システム・エンジニア)系の方は、フレックスタイム出勤で、出来高制のスライド給与の人が多く、経済環境は整っています。

 生活スタイルとしては、タバコは吸わず、お酒もあまり飲まず、クルマもほとんど乗りません。「経済的だから」とゴルフ場にはおおよそ電車を利用して行きます。たとえクルマで行くとしても、相乗りは当たり前で、何事も合理的に事を進めます。

 ゴルフ場で見かけるサードウェーブ系男子は、こざっぱりしていて、そつなくウエアを着こなしています。プレー中は、お気に入りのスポーツドリンクをマイボトルに入れて持ち歩いていたりしますね。

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