【木村和久連載】日・米・英の「ゴルフ文化」を比較して想うこと (3ページ目)
ゴルフが生まれたのは、15世紀あたりですから、社会に根ざしている奥深さは計り知れないものがあります。ゴルフは、国技に近いニュアンスで扱われているのではないでしょうか。
そういう意味で見てみると、英国風のリゾート地には、ゴルフ場が実に多いです。旧英国領のフィジーでは、国内のありとあらゆるところに、ゴルフのエッセンスがちりばめられています。大きいホテルだと、裏庭が9ホールのミドルコースになっていて、そこはウッドも打てる本格的なものです。宿泊客であれば、驚くほど安い料金でプレーできるので、感動的でした。
中くらいのホテルでも、3ホールくらいのショートコースがありますし、たとえコテージのような宿泊施設でも、パター練習場があったりして、とにかくゴルフ関連の施設があちこちにあるのです。フィジーのリゾートは、ゴルフ発祥国の文化を色濃く反映しているな、と思いました。
じゃあ、日本はどうでしょう。
先進国の中では、ゴルフ後発組です。ゴルフ文化を輸入することから始まっています。
例えば、私が元メンバーだった鶴舞カントリー倶楽部(千葉県)は、日本を代表するゴルフコースの設計家、名匠・井上誠一(1908年、東京都生まれ)の設計です。東の4番ショートホールは、周囲をぐるりと池が囲み、美しい佇まいで有名です。バンカーをよく見ると、池との境界がない渚バンカーになっています。
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