日本女子ツアーを制圧。「強い」イ・ボミは、こうして生まれた
今季の女子ツアー最終戦、LPGAツアーチャンピオンシップ・リコーカップ(11月26日~29日/宮崎県)で、今年のトーナメントを彩ったトッププレーヤーたちが連日激戦を繰り広げている。
ともあれ、今季の女子ツアーと言えば、イ・ボミ(27歳/韓国)である。最終戦を前にして、賞金女王を確定させると同時に、年間獲得賞金では2億円を突破して、男女を通じての史上最高記録まで達成した(11月26日現在、2億2581万7057円)。
はたして、その強さの秘密はどこにあるのか――。
イ・ボミの最も近くにいて、以前にも賞金王となった谷口徹や、賞金女王に輝いた上田桃子のキャディーを務め、「優勝請負人」と呼ばれるようになった、清水重憲キャディー(1974年7月10日生まれ、大阪府出身)に話を聞いた。
獲得賞金は2億円を突破し、圧倒的な強さを見せた賞金女王のイ・ボミ。 イ・ボミの昨年と今年の大きな違いは、まずティーショットの正確性だと、清水キャディーは言う。
「昨年まではときどき、左へ引っ掛ける低い球が出ることがありました。これが出ると、左のラフにつかまって、距離も出ないので、ボギーを叩いてしまうことが多かったんです。それが、ひとつの課題でした」
今季は、その"クセ球"がほぼ出なくなった。それには、清水キャディーはもちろんのこと、10年前からイ・ボミのコーチを務めるチョ・ボムス氏、そしてトレーナーや、用具契約メーカーの『本間ゴルフ』のスタッフらで形成された"チーム・イ・ボミ"の力が大きかった。
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