コウ・ウスンが語る「女子ツアー、韓国人選手が強い理由」 (2ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

●体の強さ

 私が思うに、残念ながら日本の選手は男女とも韓国の選手に体格や体力は負けています。まず骨格が違いますね。韓国では子供の頃から発育を促進するため、漢方サプリを調合して飲ませます。100種類くらいの成分が入っていて、中には高級素材の高麗人参が入っているものも。韓国のプロゴルファーほか、アスリートたちは、こういった漢方サプリを飲んでいます。それで体格がガッチリとしているし、体力的にも強いんです。

 アン・ソンジュやイ・ボミは最終日にスコアを大きく伸ばせるし、プレーオフの勝率が高いので、彼女たちのメンタルの強さが指摘されます。でも、メンタルと言うのは体力があることが前提になります。18ホールを終えて、まだ体にパワーが残っていて、脳に酸素が行き渡り、集中力も切れないわけですから。逆に最後のハーフで成績が落ちやすい選手は、体が弱いんですよ。

 最近は、女子プロゴルフの世界でも筋力トレーニングをする人が多くなりましたね。日本人選手は特に熱心にやっています。でも、あまりに熱心だから、いざ本番の試合で疲れちゃうのでは? 韓国人選手は月曜日、もっぱら体のケアに充てます。だから若い日本の選手に私は「月曜日は休養日にして、ビールでも飲んで遊べば」と言うんですよ(笑)

 実際、強い選手は切り替えが上手。アン・ソンジュなんて試合のない時は練習もしないですから(笑)。好きなショッピングをしたりして、リラックスしていると聞きますよ。でも彼女は試合になると、すごい集中力を発揮する。昨年25試合に出場して5勝もしたんです。まさに切り替え上手な選手です。もちろん、アンちゃんもジュニア時代は過酷な競争に勝ち抜いてきたから、今の彼女なりの調整法が出来るんですよ。

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