2015.01.02

【ゴルフ】イ・ボミ「私が笑顔と賞金女王にこだわる理由」

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 イ・ボミが「スマイル・キャンディ」の愛称で呼ばれる本当の理由が、わかったような気がした。単に笑顔が"かわいい"というだけで、そう呼ばれているわけではないことに気づいたのは、2014年がまもなく終わりを告げようとしている頃だった――。

2015年シーズンも活躍が期待されるイ・ボミ。 日本ツアー参戦4年目となる2014年シーズン、イ・ボミは年間3勝を挙げて、賞金ランキング3位になった。常に上位争いを演じるなど、ツアーの中心選手として、その存在感はますます増していた。しかしシーズン後、彼女のもとを訪れると、目標としていた賞金女王の座を得られなかったことを、相当悔やんでいた。

 それもそのはずで、8月のNEC軽井沢72(8月15日~17日/長野県)で3勝目を飾ったとき、賞金ランクのトップに浮上。安定感抜群のゴルフを展開し、そのままいけば、初の賞金女王を手にする可能性がかなり高かったからだ。

 それが後半戦、勢いに乗ったアン・ソンジュが、イ・ボミを逆転。同じ韓国人選手で、ひとつ上の先輩の"壁"は厚く、悲願のタイトル獲得はまたしてもお預けとなった。

「(賞金ランクのトップを譲ってから)最後まで、先輩のアンちゃんには追いつけませんでした。目標だった賞金女王のタイトルを獲れず、ファンの方や関係者の方々など、私を応援してくれた周囲の期待に応えられなかったことが、すごく残念です......」

 賞金女王になれなかったことへの悔しさが膨らむのは、イ・ボミにとって、思いもよらぬ出来事があったからでもある。この夏、誰よりもイ・ボミの活躍を願っていた彼女の父親が突然他界したのだ。

「父がこの世を去るなんて、本当に信じられませんでした......」

 9月、国内メジャー第2弾となる日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(9月11日~14日/兵庫県)のときだった。大会3日目の10番ホールを終えたあと、イ・ボミは急にトーナメントの棄権を申し出た。2日目を終えて6位タイ。2013年大会に続く連覇もありえる状況だったが、それどころではなかった。重い病で入院中の父親の容態が急変したと連絡が入ったのだ。そして、イ・ボミは急きょ韓国へ帰国したが、父親の状態が回復することはなく、彼女は入院中のベッドで息を引き取った父親の最後を見届けた。