2014.04.17

【ゴルフ】「大物ルーキー」藤田光里。悩み解消で爆発の予感

  • 野崎 晃●文 text by Nozaki Akira
  • photo Sports Nippon / Getty Images

 兵庫県の花屋敷ゴルフ倶楽部で開催されたスタジオアリス女子オープン(4月11日~13日)。今季「大物ルーキー」として注目されていた藤田光里(19歳)が、ついに躍動した。2日目を終えた時点でトップと4打差の3位。プロになって初めて、最終日最終組でプレイした。

徐々に調子を上げてきた注目ルーキーの藤田光里。 結局、藤田はボギーが先行して後退。同組のリ・エスド(9アンダーで優勝)とO・サタヤ(8アンダーで2位)との熾烈な優勝争いには加われなかったものの、最後まで集中して自分のゴルフに徹し、通算4アンダー5位タイでフィニッシュ。プロ入りして最高の成績を残した。

 そのためか、他人の優勝の瞬間を間近で見ながらも、ホールアウト後の藤田の表情は晴れ晴れとしていた。

「(最終組でも)緊張はしなかったです。(初優勝のチャンスを逃しても)今はすごくすっきりしています。他の選手の優勝でも、その瞬間を同組で見られてよかったし、うれしかった。自分も優勝争いに加わっていたら、悔しかったかもしれませんが、そういう状況ではなかったので……。とにかく、優勝を争う選手たちと同じ組で回れて、とても楽しかったです」

 そう語って、屈託のない笑顔を見せた藤田。その面持ちは、今季開幕戦の頃とは明らかに違っていた――。

 アマチュア時代、北海道女子アマチュアゴルフ選手権を5連覇した経歴を持つ藤田は、昨年のファイナルQT(クォリファイングトーナメント)を1位通過。その後、LPGA新人戦の加賀電子カップ(2013年12月12日~13日/千葉県)で優勝すると、年明けにはレオパレス21と所属契約と交わし、キャロウェイとも用具契約を結んだ。プロの世界でまだ結果を残していない新人としては、破格の待遇だった。

 そんな好素材をメディアが放っておくはずがない。愛らしい容姿も相まって、藤田の周りには開幕前から多くの記者やカメラマンが群がった。「大物ルーキー」と騒がれて、彼女の一挙一動に熱い視線が注がれた。

 昨年までアマチュアの世界にいた藤田は、そうした状況にさすがに戸惑った。さらに「さまざまなイベントや会見に出席したり、スポンサーさんへの挨拶に回ったりして、(自分に)期待がかかっていることがよくわかりました」と、藤田は周囲の期待にも少なからずプレッシャーを感じていたという。

 その結果、藤田の表情は徐々に硬くなっていった。迎えた開幕戦では、彼女の顔からは笑顔が消え、まったく余裕が感じられなかった。ただそれは、メディアの執拗な取材や、周囲からの大きな期待のせいだけではなかった。藤田は「(プロの)トーナメントの独特の雰囲気に馴染めなかった」というのだ。