【女子ゴルフ】香妻琴乃「プロになるためのレールが敷かれていた」 (2ページ目)
だが、嫌々行っていたゴルフを好きになる転機が訪れる。宮崎県の日章学園高校1年の時、日本女子アマで、初めて60台のスコアを出したのである。
今はゴルフが大好きだという香妻琴乃。「その時ですね、ゴルフに対する姿勢が変わったのは。そうしたらゴルフの調子も上がり始めて、コンスタントに60台が出るようになったんです。それで、JGAナショナルチームに選ばれるようになって、同じチームの仲間に対しても『絶対に負けたくない』とか思ったりして、『もっと練習しなきゃ』という気持ちがどんどん大きくなりました。同時に、ゴルフがすごく好きになっていったんです」
その気持ちを紡いで、昨年プロテストにトライし、合格した。
そこから、ゴルフに対する思考も変わった。アマチュア時代は何も考えずに自分の感性や感覚だけでゴルフをしていた。しかし、今シーズンから本格的にツアーに参戦するにあたり、プロとして取り組んだことがあった。
「昨年のオフに取り組んだのは、まず体力強化です。体力がないと1年間、戦えないと言われたので、持久力をメインに疲れない身体作りをしました。技術的には、アプローチとパットが苦手だったので、その練習を繰り返していました。具体的に言うと、パッティングで自分の型を作ることです。今までは、打つ時は何も考えず、ただ当てているだけだったんです。だから、パットがいい時もなぜいいのか、その理由がよくわからなくて、悪くなった時、うまく修正することができなかった。でも、こう打たないといけないというのを意識して打つようになって、ようやく自分の型ができてきたんです」
父の指導のもと、ショットを磨き、ドライバーの平均飛距離は250ヤードを越えている。それにショートゲームが加われば、初優勝も視界に入ってくるが、今シーズンは10戦して予選落ちが5回。最高位はスタジオアリス女子オープンとフンドーキンレディースの20位タイと、苦戦が続いている。
「結果が出ていないことは悔しいですが、でも、一試合一試合の中で自分の成長を感じることができれば、『予選落ちだね』と言われても気にしないです。それに、アプローチとパットさえしっかり修正できれば、今やっているゴルフでいつかは『いける』という感覚があるんです。だから、ぜんぜん焦っていないですね」
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