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メッシ代表引退試合の相手はなぜベナンなのか 美しいお別れの裏にある生々しいマネーの現実 (5ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

 もちろん、一連の出来事の責任はメッシにはない。むしろ正反対だ。引退試合の話は彼が父を亡くしたばかりの頃に持ち上がった。メッシははじめ、AFAが自分の名前で最後に大金を稼ぐためのものではないかと疑い、当初は難色を示したとも報道されている。乗り気でなかったという声も聞かれた。だが最後に彼はもう一度、アルゼンチンの人々の前に立つことを受け入れた。

 エル・モヌメンタルが満員になる理由はとても単純だ。人々はアルゼンチン代表のユニフォームを着たリオネル・メッシの姿を、最後にもう一度だけその目に焼きつけたいのだ。

 AFAはいろいろなショーを用意しているが、そんなものは二の次だ。アルゼンチンの人々が本当に見たいのは、最後の笛が鳴った瞬間、メッシはどんな表情をするのか、だ。泣くのか、笑うのか、チームメイトを抱きしめるのか。仲間たちは彼をどう送り、サポーターはどんな声で彼の名前を呼ぶのか。それだけはAFAにも演出することはできない。

 21年前、メッシのアルゼンチン代表での最初の試合は、わずか40秒で終わった。だが、最後の試合はできるだけ終わらないでほしい。アルゼンチンの人々はそう願うはずだ。

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