ワールドカップでブラジルが強く見えない..."らしさ"をやめ、ひとりのエースに賭ける (4ページ目)
【エクストラキッカーとしてのヴィニシウス】
守備優先の編成もあってビルドアップもままならなかった。非常に旧式。かつての「ブラジル」どころか「世界基準」にも達していない。
それでもヴィニシウスはほぼ何もないところから同点弾を叩き出した。ヴィニシウス、アンチェロッティ監督、そしてブラジルは最低限の狙いは出せた。チームとして全然なっていないにもかかわらず、強敵モロッコに引き分けられたのは「1」の威力だ。
ヴィニシウスが国民的スターだから外せない、というより、今のブラジルには「1」が絶対に必要だからだ。旧式だろうが何だろうが、百戦錬磨のアンチェロッティ監督がこれに賭けている。
だからかつてのイタリアのように、見た目ほど弱くないのか、それともやはり見た目どおりなのか。その答えはまもなく出るだろう。
著者プロフィール
西部謙司 (にしべ・けんじ)
1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。
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